瀬川冬樹氏のこと(その25)
「あの時と同じ気持ちだ」──
今日、届いた本を読んでいたら、そう想えた。
ちょうど27年前、ステレオサウンドで働きはじめたばかりの私に出来た仕事は、
原稿を取りに行ったり、試聴の手伝いをしたり、
そしていまごろ(2月の半ば過ぎ)は、写植の会社から上がってきた版下をコピーにとり、校正作業だった。
ステレオサウンド62号と63号には、瀬川先生の追悼特集が載っている。
版下のコピーで、読む。
校正作業なので、「読んで」いてはいけないのだが、読者となって読んでいた。
その時の気持ちだった。
読み耽っていた。
気がついたら正座して読んでいた。
44ページしかない、薄い、中とじの本は、「サプリーム」3月号 No.144。
瀬川冬樹追悼号だ。