My Favorite Things(オープルリールデッキ篇・その14)
テレフンケンのMagnetophon10が、録音の現場でどれだけ使われていたのかは調べたことがないので、よく知らないが、少なくともテレフンケン・レーベルの録音では使われていたはず。
日本のレコード会社でMagnetophon10を所有していたところがどれだけあるのかも知らないが、キングレコードは、その一つである。
録音アンプV86、再生アンプV87、この二つの真空管アンプを通しての音を、少なからぬ録音で聴いているわけだ。
実際の録音に使われたオープンリールデッキの再生アンプで、アナログディスクを再生してみたい──、EMTの927Dstを手に入れる前から、なんとなく考えていた。
スチューダーのC37、A80の再生アンプ、アメリカのレーベルならば、アンペックスやスカリーの再生アンプで、聴いてみたいと考えながらも、全てを揃えるのはまず無理だし、
再生アンプのみを手に入れられるとも、当時は考えていなかった。
そんなところにV87の話。927Dstを使ってなくても手に入れただろうが、実物が届いてからは、927Dstでこそ、どちらも本領発揮するだろう、と実感していた。
V87が届いて半年ほど経ったころ、ステレオサウンドを辞めて、それからしばらくして骨折したり、いろいろあってのしんどい時期に、927Dstは手離した。
だから、927Dst+V87の音は実現していない。
V87は、いまも持っている。出番を待っている。