オーディオと青の関係(名曲喫茶・その10)
渋谷にいまもある名曲喫茶ライオンを教えてくれたのは、HiViの前身のサウンドボーイの編集長のOさんだ。
教えてくれた、というよりも、行ってこい、と言われた。
行ってみた。
渋谷のこんな場所に、こんな建物が残っていて、しかも名曲喫茶なのか、とほとんどの人が驚くと思う。
私も驚いた。ライオンには、これまで四回ほど行っていて、一回目は一人だったが、
それ以降は、友人を連れてだったりした。
Oさんに、ライオンに行ってきました、というと、当然、どうだった? と訊かれた。
良くなかった、というと、そうだろう、と言われた。
もし、いい音でした、と答えていたら、どうだったのだろうか。
おそらく、こいつの耳は信用できない、となっただろう。
ライオンは、オーディオ雑誌、音楽雑誌よりも一般の雑誌の方が取り上げている。
喫茶店特集でも、ライオンの記事を見たことがあるし、昭和を感じられる的な記事でも取り上げられる。
知名度は吉祥寺のバロックよりもずっと高い。私が見た範囲では、どの記事もライオンのことを悪くは書いていない。
いい音でクラシックが聴ける、そんなふうに書かれている。
ライオンは繁盛している。私が、ライオンの音は良くないと、ここで書いたところで客が減ることはないと思う。
そう思っているから書いているのだが、一般の雑誌の編集者、ライターは、本当にライオンの音をいいと感じているのか。
ライオンでかかっている音楽に感動したのだろうか。
バロックにも常連はいた。ライオンにも常連の客はいよう。
彼らは、いい音で聴けるから常連になるほど通うのか。
私が四回も行ったのは、こういう店もあるよ、と友人らに教えたかったからだ。一人で行く気はない。