ワグナーとオーディオ(その11)
一年半ほど前の(その10)で、
3月の会では、カラヤンの「パルジファル」をかけた。
三十分ほど鳴らしていた。
そのまま続けて鳴らしたい(聴いていたい)と思ったけれど、
ワグナーの「パルジファル」を一方的に最後まで聴かせるというのは、
ある種の暴力に近いのかもしれない、と書いている。
いまもそう思うところはあるが、10月1日のaudio wednesdayではあらかじめ告知していて、
それでも聴きたいと思われる方たちが来てくれたのだから、
いきなり「パルジファル」を最後までかける(聴かせる)わけではないから、
暴力に近いとは言えなくなっていたとしても、苦行かもしれない……、そんなふうには思われていただろう。
10月1日は18時ぴったりに開始した。
カラヤンの「パルジファル」は四枚組。ディスクのかけかえでわずかな時間、音楽は途切れるが、
22時20分近くまで、ずっと「パルジファル」が野口晴哉氏のリスニングルームに響いていた。
バカな聴き方だと思われるかもしれないが、やってみて、やっぱりやってよかった、と私は思っているだけでなく、
またやろうとも考えている。