人工知能が聴く音とは……(その9)
ジョディ・フォスター主演の映画「コンタクト」を観終って、ある映画を思い出した。
ティム・バートン監督の「バットマン リターンズ」だ。
「バットマン リターンズ」では、あるシーンのバットマンをCGで描こうとしていた、と、その時のニュースは伝えていた。
結果は、映画関係者から猛反対を喰らって妥協した──、そんな内容の記事だった。
「バットマン リターンズ」の公開は1992年、
「コンタクト」の公開は1997年。
どちらも映画館で観ている。
「コンタクト」の終盤、ジョディ・フォスター演じる主人公が、地球外知的生命体と出逢うシーンがある。
この時のジョディ・フォスターの表情は、なんと表現したらいいのか。
こういう表情が人にはあるんだ、と思っていた。
そして映画館を出て、こんな表情を生み出すことがCGでは可能なのだろうか、と考えていた。
ジョディ・フォスターだから可能だった表情を、ゼロからCGでつくり出せるのか。
ジョディ・フォスターと同じレベルの演技ができる人ならば、CGでつくり出せるかもしれないが、
そうでない人、どんなにCGの作成に長けた人であっても、あの表情はつくれない、というよりも思いもつかないだろう。
このことを思い出してのは、ここ数日、生成AIによる女優の誕生のニュースが話題になっているからだ。