Sylvia Sass sings Dramatic Arias
「清らかな女神よ」(Casta Diva, カスタ・ディーヴァ)を、
最初に聴いたのはマリア・カラスではなく、シルヴィア・シャシュだった。
あのころ、シルヴィア・シャシュは「マリア・カラスの再来」と言われていた。
デッカから二枚、アルバムが出ていた。
バックが青のアルバムと赤のアルバムだったので、
勝手にシャシュの赤盤、青盤と呼んでいた。
青盤のほうは、TIDALやQobuzで聴くことができるのに、
どうしてだか赤盤の方は、どちらにもない。
しかも赤盤の方に、「清らかな女神よ」がおさめられている。
あのころはシルヴィア・シャシュを、マリア・カラスよりもよく聴いていた。
コンサートにも行ったし、そのコンサートがNHK FMで放送されたのを、
ステレオサウンドの試聴室で、
ケンウッドのチューナーとナカミチのカセットデッキでエアチェックもした。
なのにいつしかあまり聴かなくなってしまった。
ここ、二年ほど、TIDALで、いろんな人の「清らかな女神よ」を聴いた。
聴けば聴くほど、マリア・カラスなのか、という想いは強くなくばかり。
そして、シャシュの「清らかな女神よ」を、もう一度聴きたくなった。
CDでは二枚組の廉価盤で出ていたはずだが、買いそびれた──、
というよりも、その頃はシャシュから遠ざかっていた。
聴きたいおもいはつのる一方で、
先程、ヤフオク!で、イギリス盤(もちろんLP)を落札した。