audio wednesday (next decade) – 第三夜・Apogee Duetta Signature + 1.0(その5)
ハイエンドオーディオ(High-end Audio)。
この言葉は、実に曖昧だ。以前はそうでもなかった。けれどいつしか、多くの言葉がそうであるように広く使われようになり、定義・意味は曖昧になってきている。
曖昧になったぶん、都合のいい使われ方も目立つようになってきている。
4月3日は、アポジーのリボン型スピーカーシステム、Duetta Signatureを鳴らす。
アンプは2月、3月の会で使ってきたクレルのKMA200である。このスピーカーとアンプの組合せは、1980年代のハイエンドオーディオの組合せの一つだった。
鳴らし難いといわれるアポジーをクレルのアンプは難なく鳴らしてくれた。偶然にも日本での輸入元は同じだった。
当時オーディオマニアだった方は、オーディオ店でこの組合せを聴いたことがある人も少なくないはず。とはいえ、どちらももう四十年近く前のオーディオ機器である。
いま、この組合せを聴いてみたいと望んだところで、叶うことはほとんどない。
それでも聴いてみたい。ハイエンドオーディオとは、いったいどういうことなのか。それをきちんと確認する上でも聴いておきたい。
「アポジー、クレル、どちらも過去の製品だよ」と切って捨てることは誰にでもできる。
それをカッコいいと勘違いしている人も、悲しいことに現実にはいる。けれどほんとうにそうなのか。自分の耳で確かめてほしい。
スピーカーシステム:Apogee Duetta Signature
パワーアンプ:Krell KMA200
D/Aコンバーター:Meridian 818 v3
CDトランスポート:Accuphase DP100