アクティヴ型スピーカーシステム考(その6)
リンは聴いていないので除外するが、
B&OのBeolab 90かメリディアンのDSP8000 XE、
どちらかを置ける空間と買えるだけの余裕があれば、欲しいのか、と問われれば、
欲しいと即答するが、
それでも、それだけで満足できるのか、とさらに問われれば、
1970年代後半にオーディオに目覚め、その世界に踏み込んでいった者としては、
即答はできなかったりする。
少なくとも私にとって、あの時代のオーディオは、一つの核となっている。
1970年代後半からの数年間のオーディオは、やはり狂気を感じさせる時代だった。
いまのハイエンドオーディオもそうじゃないか、と捉えている人もいるだろうが、
あの時代を体験してきた者にとっては、
違う、というしかない。
どちらの時代の音がいい、ということではない。
狂気を感じさせてくれる。
なにもあからさまに感じさせてくれるのではなくてもいい、
どこか狂気を秘めた音であってほしい。
Beolab 90もDSP8000 XEも、
そしてまだ聴いていない360 EXAKTにしても、そういう世界とは無縁のような気がする。
それはそれでいいことであって、
これらのアクティヴ型スピーカーシステムに、狂気を求めようとは思っていない。
思っていないからこそ、これらのスピーカーシステムだけでは満足できないところが、
私にははっきりとある。