三十数年ぶりの名曲名盤(その2)
いま書店に、「新時代の名曲名盤500+100」が並んでいる。
レコード芸術の特集「新時代の名曲名盤500」を一冊にまとめたものだ。
名曲名盤、このタイトルを眺めていて、
名曲愛聴盤ではないことを考えていた。
タイトルとしては名曲名盤のほうがおさまりがいいし、
見ての印象もいい。
けれど読み手が求めているのは、どちらなのだろうか。
名曲名盤なのか、名曲愛聴盤なのか。
1980年代のレコード芸術の「名曲名盤」は、どこか名曲愛聴盤と感じられるところがあった。
少なくとも、そう感じられるところがあった。
だからこそ夢中になって読んでいたのかもしれない。
いまはどうだろう。
読むこちらが齢をとったということもあるけれど、
なんとなくではあるが名曲愛聴盤という感じが伝わってこないようにも感じる。
名曲名盤なのだから、それでいいのだけれど──。