オーディオの殿堂(その7)
オーディオテクニカ独自のVM型。
この方式を開発したのは、普通に考えれば、
当時のオーディオテクニカの技術者ということになる。
私だって、オーディオに関心をもち、ステレオサウンドで働くようになるまでは、
そう思っていた。
けれど井上先生という人を知るにつれて、
もしかするとオーディオテクニカのVM型のアイディアは井上先生なのではないのか。
そんなふうに思うようになってきた。
だからといって、何らかの確証、
それがちっぽけなものであっても確証へとつながっていくことを知っているわけではない。
井上先生に訊ねたところで、うまくごまかされたであろう。
そのことを話題にしたこともない。
それでもオーディオテクニカの創業者、松下秀雄氏と井上先生のつきあい、
そのことから私が勝手に妄想しているだけにすぎないのは自覚している。
それでも私はVM型のアイディアは井上先生と確信している。