A Little Less Conversation: ELVIS VS JXL
エルヴィス・プレスリーは,1977年8月16日に亡くなっている。
日本でもニュースで大々的に報じられていた。
とはいえ私はプレスリーのファンではまったくなかったし、
むしろ太ってしまった過去の人という印象しか持っていなかった。
1977年といえば、中学三年だった。
クラスにはビートルズを熱心に聴いている同級生が数人いた。
けれど、彼ら(彼女ら)もプレスリーには関心がなかったようだった。
8月16日は夏休みだったから、直後に同級生と会うことはなかった。
それもあったと思うけれど、夏休み明け、プレスリーのことを話題にする同級生はいなかった。
プレスリーの歌をまったく耳にすることがなかったわけではない。
“Love Me Tender”とか、そうやってそうとうに有名な曲は聴いたことはある。
あくまでもきいたことはある──、そのくらいだった。
私がエルヴィス・プレスリーをかっこいいと感じたのは、
それからずっと時が経ってのことだった。
2002年、ナイキのCMで使われていた“A Little Less Conversation”。
この曲が最初だった。
JXLによるリミックスのシングルCDを買ってしまった。
この曲で、熱心なプレスリーの聴き手になりました──、
そんなことはなかった。
“A Little Less Conversation”から二十年。
いま映画「エルヴィス」が上映されている。
ものすごく観たかったわけではなかったけれど、
とにかく映画が観たかった、大きなスクリーンで映画を観たかったから、
火曜日に「エルヴィス」を観てきた。
観てきた人ならば気づいているだろうし、
プレスリーの熱心なファンならば、そんなこと知っているよ、と言うだろうが、
私は「エルヴィス」を観たあとに、検索してみて初めて知った。
エルヴィス・プレスリーはトレッキーであった、と。
しかもそうとうなスタートレックのファンのようである。
このことだけで充分である。
プレスリーさん、あなたもトレッキーですか。
そんなことを心の中で呟きながら、
帰宅してすぐにTIDALで、プレスリーをまとめて聴きはじめた。
幸いなことにプレスリーはRCAに多くのアルバムを残している。
それらのアルバムはMQA Studioで聴ける。
「録音は未来」である。