音の姿勢、音の姿静(その3)
指揮者アンドレ・コステラネッツが、こんなことを語っている。
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誰もが自分の音を持つべきだ。
自分を元気づけ、溌剌とさせる音を、
あるいは落ち着かせ、穏やかにする音を……。
そのなかでももっとも素晴らしい音のひとつは、
まったく完全な静寂である。
(音楽之友社刊「音楽という魔法」より)
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(その1)で引用している五味先生の文章にも、
コステラネッツがいっていることがつながっていく。
コステラネッツは《まったく完全な静寂》といっている。
この《まったく完全な静寂》こそが、音の姿静なのだろうか。