イノヴェーション
三人寄れば文殊の智慧、という。
けれど実際は、三人寄っても人の知恵、
ひどい場合は、三人寄っても猿以下の知恵なのかもしれない。
文殊とは、いうまでもなく文殊菩薩のこと。
智慧をつかさどるとされる菩薩である。
つまり人ではない者の智慧。
これがまさしくイノヴェーションなのだろう、と思う。
なのに現実はどうだろうか。
三人寄っても……、と三人が三人とも自説を押し通そうとしたら、どうなるだろうか。
せいぜいが誰かの意見が通り、多少残り二人の意見が加わった程度では、
とうてい文殊の智慧とはいえない。
誰一人として自説を譲ることがなければ、猿以下の知恵となるだろう。
議論とは意見を戦わせることなのだろうか。