何を欲しているのか(サンダーバード秘密基地・その5)
二年近く前の(その1)の時点では、
デアゴスティーニのサンダーバード秘密基地が欲しい! と思っていた。
欲しい! という衝動である。
でも衝動はしばらくすると薄れていく。
いまではすっかり落ち着いてしまっていて、欲しいという気持はもうない。
こうなるであろうことは、出た時点で予想できていたことだったし、
やっぱりそうなったか、ぐらいに思っている。
どうしてなのか、といえば、余韻を感じていなかったからだろう、と。
欲しい! とおもったほどなのだから、まったく余韻がなかったわけではない。
それでも、その余韻は急速に萎んでしまった。
サンダーバード秘密基地だけではない。
これまで聴いてきた数多くのオーディオ機器、
さらには聴く機会に縁のなかったオーディオ機器、
それらのなかで、欲しい! という衝動にかられたモノはある。
欲しい! と思ったモノで、いまも欲しい、
自分の手で鳴らしてみたい、と思っているモノは、かなり少ない。
これも余韻の持続が関係しているのだろう。
息の長い余韻がある。
そういう余韻は、時として何かに共鳴して大きな余韻となって、
私の裡で膨らんでいく。