KATHLEEN FERRIER SINGS BACH & HANDEL
“KATHLEEN FERRIER SINGS BACH & HANDEL” を聴いて、
もう三十年以上が過ぎている。
1985年にCDで初めて聴いたその日から、
“KATHLEEN FERRIER SINGS BACH & HANDEL”は愛聴盤である。
EMI録音のフェリアーはMQAで聴けるけれど、
デッカ録音の“KATHLEEN FERRIER SINGS BACH & HANDEL”は、MQAではいまのところ聴けない。
聴ける日がはやく来てほしい。
三日前に、バーバラ・ヘンドリックスの“Negro Spirituals”を、ひさしぶりに聴いた。
いいアルバムだと感じたので、そのことを書いている。
ながいことレコード(録音物)で音楽を聴いていると、こういうことはあるものだ。
“Negro Spirituals”の例がある一方で、
一時期、熱心に聴いていたのに、いまはもうさっぱり聴かなくなってしまった──、
ということだってある。
そういうものである。
“KATHLEEN FERRIER SINGS BACH & HANDEL”も、
もしかする、聴いても何も感じなくなる日がやってくるのかもしれない。
絶対に来ない、とはいいきれない。
そんな日が来たら、私は「人」として終ってしまった──、そうおもう。
そんな日が来たら、もう自死しか選択肢は残っていない──、
私にとって“KATHLEEN FERRIER SINGS BACH & HANDEL”は、そういう愛聴盤だ。