Date: 10月 4th, 2021
Cate: 新製品
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JBL SA750(その15)

SA600の時代とSA750の時代は違う。
製品数もまるで違う。
大きく違っている。

SA750にSA600と同じことを求めることは無理だ、ということは百も承知だ。
SA750は、SA600とまったく違うアピアランスで登場していたら、
こんなことは書いていない。

JBLの創立75周年モデルであり、SA600を意識したモデルであるから、
やっぱりあれこれいいたくなる、というか、期待したくなる。

アーカムのSA30をベースとしていることは、音さえ良ければどうでもいいことだ。
すべての音楽を夢中になって聴ける──、
そんなことまで望んでいるわけではない。

ある特定の音楽ジャンルだけでもいいし、
特定の楽器だけでもいい。

たとえばピアノを鳴らしたら、夢中になって聴いてしまった──、
そういう存在であってほしい。

なぜJBLは75周年モデルとして、SA750を企画したのだろうか。
SA600のオマージュモデルという意図自体は素晴らしいことなのに、
なぜ、こんなに中途半端に出してきたのだろうか。

いまのJBLの開発陣に、SA600を聴いた人はどれだけいるのだろうか。
SA600が当時どう評価されていたのかを知っている人はいるのだろうか。

どのメーカーかは書かないが、JBLよりも古いあるオーディオメーカーは、
企業買収されたことで、古株の社員がみないなくなってしまった。
そのため古い製品について知っている社員が一人もいない。

そのメーカーの広報の人が日本に来て、オーディオ雑誌の取材を受けた際に、
古い製品についてたずねたところまったく知らない。
むしろインタヴュアーから教えられていた──、
そんな話を十年以上前に、ある人から聞いている。

JBLもそうなのかどうかは、私は知らない。
けれどSA750の記事を読んで思うのは、それに近いのかも、ということだ。

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