TIDALという書店(その12)
2014年に、マリア・カラスのEMIでのスタジオ録音すべてのCDボックスが出た。
69枚組で、25,000円ほどだった。
買おうかな、と思いつつも、他のCDを優先して買わずにいた。
2018年になって、タワーレコードからのメールで、かなり安くなったことを知る。
一万円を切っていた。
カラスのCDボックスには、139ページの本がついている。
写真やエッセイを集めたもので、附録とはいえないつくりだ。
カラスのCDもだけど、この本が見たかった(手に入れたかった)。
発売から四年経って、ようやく購入。
このCDボックスを、2019年1月のaudio wednesdayに持っていった。
マリア・カラスばかりをかけた回だった。
写真家の野上さんも来られていた。
カラスのCDボックスの本を見て、野上さんも購入されたくらいに、
この本の魅力は大きい。
いまではカラスのスタジオ録音は、TIDALで聴ける。
96kHzのMQA Studioで聴ける。
e-onkyoでも購入できる。
マリア・カラスの魅力を存分に味わいたければ、MQAで聴く。
なのでCDボックスで聴くことはなくなった。
おそらく、これからもないはずだ。
CDプレーヤーを買い替えることがあったら、
それぞれの良さを楽しむのに聴くことも出てくるだろうが、
いまのシステムでは、CDの出番は、マリア・カラスに限ってはない。
それではCDボックスを購入したのは、まったくの無駄とは思っていない。
価値が下ったとも感じていない。
それは本の存在があるからだ。