Date: 2月 20th, 2021
Cate: オーディオマニア
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「シャカリキ!」(その2)

「私のオーディオの才能は、私のためだけに使う。」

二十数年前の私は、知人にこんなことをいっていた。
以前書いたことのくり返しなのだが、
オーディオ好きの知人は、私のオーディオの才能を認めてくれていて、
それだからこそ、何回も、私に、
「せっかくの才能なんだからオーディオの仕事をしたらどうですか」
「何か書いたらどうですか」
そういってくれていた。

ありがたいことなのに、当時の私は、
本気で、自分のオーディオの才能は自分のためだけに使うことこそ、
いちばんの贅沢だ、と思っていた──、
というか、そう思い込もうとしていたのかもしれない。

そんな私がいまは、誰かの家に行って、
オーディオのセッティング・チューニングをしている。

仕事としてやっているのではない。
親しい人、音楽好きの人の音をきちんとしていく。

高価なケーブルやアクセサリー類を持っていくわけではない。
やってくることといえば、なんだー、そんなことか、と思われることだろう。

たいしたことやっていないな、といわれるぐらいのことだ。
そんなことであっても、意外ときちんとなされていないことが多い。

昨晩もやっていた。
どんなことをやったのか、どんなふうに音が変化したのかは、
ここで書くようなことではない。

とても喜んでくれていたから、それでいい。
音楽がほんとうに好きな人のために、才能を使うということは、そうとうに楽しい。

そういうことをやって、私は、誰かに何かを伝えられているのだろうか。
その1)で、《オーディオでしか伝えられない》ことを持っているからオーディオマニアのはずだ、
と書いている。

《オーディオでしか伝えられない》までには到っていないかもしれないが、
《オーディオで伝える》ことはできるようになったかもしれない。

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