老いとオーディオ(と私)
二日前に、母方の祖母のことを少しだけふれた。
祖母は、母の生みの親ではなく育ての親である。
宮﨑という姓も、祖母から来ている。
母方の祖父は30代なかばで、スキーでの怪我が元で亡くなっている。
そういう事情で母は、宮﨑姓となった。
田舎に住んでいたとき、この祖父の妹、A子さん(母の叔母)が、
年に数回、家に寄ってくれていた。
A子おばさん、と私は呼んでいた。
A子おばさんによると、私は、若くして死んだ祖父にそっくりなのだそうだ。
体形も顔付きも、色白なところもよく似ている、といわれていた。
中学生になり、オーディオに興味をもち、クラシックを聴くようになると、
「どうして、そういうところまでそっくりなの」と驚かれた。
祖父は、当時蓄音器でクラシックをよく聴いていたそうだ。
それまで祖父がクラシックを聴いていたことは、まったく聞かされてなかった。
祖父の享年はとっくに超えてしまっている。
私が「五味オーディオ教室」と出逢ったころ、
周りにオーディオマニアは一人もいなかった。
ここまで音楽とオーディオにのめりこむことになるきっかけと環境があったわけではないのに、
ずっとのめりこんだままである。
ふとなにかの拍子に、なぜオーディオだったのだろう……、とおもうことがある。
祖父のことがあってのオーディオだったのだろうか。