真空管アンプの存在(KT88プッシュプルとタンノイ・その9)
(その8)でテープ入出力端子のことにちょっと触れたので、
ここでのテーマとは直接関係ない話なのだが、
プリメインアンプの現行製品で、テープ入出力端子を備えているのは、
どれだけあるのだろうか。
しばらく前からアナログディスク・ブームといわれている。
それからしばらくして、カセットテープがブームになってきた、ともいわれた。
オープンリールテープも、静かなブームだ、ときく。
カセットテープにしろオープンリールテープにしても、
アンプにテープ入出力端子がなければ、けっこう扱い難い。
なのにテープ入出力端子をつけてほしい、という声を、
ソーシャルメディアでもみかけたことがない。
私がフォローしている人たちがツイートしていないだけで、
そういう声はあるのかもしれない。
でも、カセットテープ、オープンリールテープの音に惚れ込んでいても、
再生だけで録音はしていない人が、いまでは案外多いのかもしれない。
録音をしなければテープ入出力端子の必要性は、あまり感じないし、
テープデッキの出力を、アンプのライン入力に接続するだけで事足りる。
テープデッキを再生だけに使うのも悪いことではないし、間違っているわけでもない。
それでも、やっぱり録音器であるわけだから。
でも、何を録るのか、といわれるだろう。
音楽を録ることだけにとらわれすぎていないだろうか。
カメラを買ったからいって、誰もがスタジオを借りて撮影するわけではない。
家族の写真を撮ったり、身近な風景や動物を撮ったりする。
なぜオーディオの録音器だけが音楽だけを録ることにこだわるのか。
スマートフォンのカメラ機能で、気軽に撮るように、
身近にある音を録ってみたらいい。