真空管アンプの存在(KT88プッシュプルとタンノイ・その8)
ラックスから、今年プリメインアンプのプリメインアンプのL595A LIMITEDが登場した。
今回も往年のラックスのアンプ・デザインの復活であり、
これまで続いてきたずんぐりむっくりからの脱却でもある。
L595A LIMITEDのページには、《一体型アンプの矜持》という項目がある。
L595A LIMITEDはフォノイコライザーはもちろん、
2バンドのトーンコントロールも備えている。
さらに音量連動式のラウドネスコントロールもついている。
テープ入出力端子は、時代の流れからなのか、ないのだが、
プリ・パワーアンプのセパレート機能はついている。
プリメインアンプ全盛時代のプリメインアンプそのまま、といいたくなる内容である。
さまざまな機能を削ぎ落として、音質をひたすら追求しました、
というアプローチのプリメインアンプもあってもいいが、
それならば、いっそのことセパレートアンプにしてしまえばいいのに、と私は考える。
だからL595A LIMITEDは、逆に新鮮にみえてくるところもある。
管球式のプリメインアンプは、いまでも存在している。
けれどほとんどの管球式プリメインアンプは、さまざまな機能を省略しすぎている。
そこに、プリメインアンプの矜恃は感じられない。
なかにはかなり大きな図体の管球式プリメインアンプもある。
それでも機能は最低限度しかついていなかったりする。
音がいいことだけが、アンプづくりの矜恃ではないはずだ。