Frans Brüggen Edition(余談)
小学校の音楽の授業でハーモニカとリコーダーを、私の世代は習った。
吹き方を教わって、指定された曲をみんなで吹く。
実技のテストもあった。
とはいえ小学生だから、飛び抜けてうまいやつはいなかったし、
とてつもなくヘタなやつもいなかった。
そのためか、私はなんとなく、ハーモニカとリコーダーを、
小学生向けの楽器と受け止めていたところがあった。
ハーモニカもリコーダーも、一流の演奏家に手にかかれば、
ものすごい表現力をもつ楽器だとわかる。
けれど小学生の私には、そんな想像力はなかった。
オーディオに興味をもつようになってから思うようになったのは、
小学校の音楽の授業で、
ハーモニカとリコーダーの一流の演奏家のレコードを、まず生徒に聴かせた方がいい。
誰もがそうなれるわけではないけれど、そこまで到達できるということを、
まずはっきりと示してほしかった、といまは思う。
ハーモニカならウーゴ・ディアス、
リコーダーならフランス・ブリュッヘン、
この二人のレコードをきかせるところから、
ハーモニカとリコーダーの授業は始めてほしかった。