組合せという試聴(その12)
組合せのための試聴は、
アンプやスピーカーの試聴が受動的試聴とすれば、能動的試聴だと、
これまで書いてきた。
それから組合せという試聴は、思考の可視化とも書いた。
ここまで書いてきて、別項「正しいもの」のなかで、
「ベートーヴェンの音」について書き始めたところである。
だから思うのは、いまオーディオ評論家を名乗っている人たちに、
ぜひとも「ベートーヴェンの音」というテーマで組合せをつくってもらいたい、ということだ。
そこで使うディスクも、編集部から指定されたものではなく、
自身で「ベートーヴェンの音」が録音されているものと感じるディスクを数枚選んでもらうところから始める。
もちろん、ここでの録音とは、つねに演奏と切り離せないものであることはいうまでもない。
そしてスピーカーを選び、アンプを選び……、というふうに組合せをつくりあげてゆく。
いまオーディオ評論家と名乗っている人たちの、さまざまなことが顕になるはずだ。