Date: 6月 24th, 2020
Cate: 言葉
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直向き(その2)

7月のaudio wednesdayでは、タンノイのコーネッタを鳴らすことは、別項で書いている通り。
四十年前のスピーカーである。
コーナー型エンクロージュアというだけでなく、フロントショートホーンまでついている。
完全な前時代的形態と捉える人も多い、と思っている。

こういうスピーカーを手に入れて喜んでいる。
それだけでなく、audio wednesdayで鳴らして、誰かに聴いてもらおう、ともしている。

目新しいもの好きの人からすれば、なんと後向きのオーディオか、となろう。

このブログでは、あいもかわらず瀬川先生、五味先生、
岩崎先生、菅野先生のことをくり返し書いている。

生きているオーディオ評論家(と呼ばれている人たち)のことを書くことは、
それに比べれば、ずっと少ない。

ここでも、私は後向きだ、と思われていることだろう。

目新しいもの好きの人たちは、後をふり返るな、とか、
過去に縛られてはいけない、とかいう。
そして前を向け、未来を見よ、という。

こんなことを言っているのが好きな人は、
ほんとうに前を向いている、未来をみている、と信じ込んでいるのか、と疑問に思うことがある。

ただ単に自分が向いている方を、前、もしくは未来だと思い込んでいるだけじゃないのか。

前とは未来のことのはず。
未来は、誰にもみえない。
見えるのは、過去だけである。

だからこそ過去と直向きにつきあっていくしかない。
直向きは、あえて書いておくが、ひたむき、とよむ。

真っ正面から過去と直向きになれる人だけが、はっきりと前がわかるはずだ。
己の背中に未来がある。

ただし過去を斜に構えて眺めているだけでは、背中は未来からズレた方向にいってしまう。

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