世代とオーディオ(常識の消失)
スーパーの精肉売場に行くと、
「豚肉はしっかりと火を通してください」という注意書きがある。
一つの店ではなく、何箇所かでみかけた。
豚肉はしっかり火を通す、というのは、昔からよくいわれていた。
いわば常識である。
けれど、その常識中の常識といえるこのことであっても、
常識すぎる、と思って、誰もいわなくなると、いつのまにか知らない人たちが出てきてしまうのか。
スーパーの注意書きは、つい最近になってみかけるようになった。
豚肉に関する常識を知らない人が増えてきたからなのだろうか。
周りに、豚肉はしっかりと火を通してから、ということをいってくれる人がいなければ、
知る機会もほとんどないのだろう。
つい常識だから、と思ってしまうことが、オーディオにあるはずだ。
でも、こちらにとっては当り前すぎる常識という認識があるから、
相手が、その常識を知っているものと、つい思ってしまいがちになる──、かもしれない。
そうやっていくつものオーディオの常識が、すでに忘れられつつあるのかもしれない。
そんな常識なんて、オーディオには要らない、という人もいるかもしれない。
でも、SNSを眺めていると、必要な常識と不必要な常識とがあることに気づかされる。
どちらにしろ、オーディオの常識は消失しつつあるようだ。