2020年ショウ雑感(その18)
誰のためのオーディオショウなのか。
コロナ禍でいくつものオーディオショウが中止になっている。
これから先、さらに中止になる可能性もあるだけに、
この機会に、きちんと考えてみるのもいいのではないだろうか。
オーディオマニアのため、なのか。
私の周りの熱心なオーディオマニアは、行く人もいればまったく行かない人もいる。
私はずっと行かなかった時期がある。十年くらいまったく行かなかった。
行けば楽しい、とは思っている。
それでも、一昨年あたりから、そろそろ行くのをよそうかな、と思い始めてもいる。
天気が悪かったりすると、今日はやめた、と思う。
どうしてなのか、と考える。
熱気が薄れてきているような感じを、毎年、少しずつ感じている。
出展社のスタッフによるプレゼンテーションでも、
熱いおもいが伝わってこない、と感じることが増えてきた。
仕事だから、やっています──、
そんな人が増えてきているように感じているのは私だけなのか。
話していることも、
オーディオ関係のウェブサイトや雑誌で読んだことのくり返しばかりだと、
音を聴く前に、もういいや、という気持がいっぱいになる。
きちんとやっているところ、
なにかが伝わってくるところはある。
でも、そうでないところのほうが、いまでは多いのではないのか。
こんなふうに考えていると、
オーディオショウは、出展社のため、とも思えなくなってくる。
となると、オーディオ評論家のためなのか。