会って話すと云うこと(audio wednesdayのこと・その6)
audio wednesdayでは、通常の喫茶茶会記のセッティングをバラして、一からやり直す。
そのこともあって、ほんとうのスタートといえるのは21時過ぎの音である。
19時開始であっても、使用機材のウォームアップはまだまだである。
使いこなしでどうにかなるところもあるし、鳴らしていくしかないところがある。
たいてい21時過ぎの音からを聴いてほしい、と思うくらい、
19時から21時にかけての変化は、けっして小さくない。
昨晩も、鳴りはじめたな、と感じる音が鳴ってくれたのは、21時をまわっていた。
ここから約二時間が、充実した時間でもある。
そして最後にかける曲。
これがうまく鳴ってくれれば、よかった、と思える。
昨晩はバーンスタインのマーラーの第九がそうだった。
人によって聴き方・受けとり方が違うのは重々承知しているが、
それでも、昨晩のバーンスタインのマーラーは、聴いていた六人の共通体験であるはずだ。
だからこそ話せることが、きっとある、と考えている。
audio wednesdayは週の真ん中に、夜おそくまでやる。
仕事の都合とかあって、なかなか行けない、という声もきいている。
それでも、都合がつけば、昨晩のように来てくれる人がいる。
そして最後まで聴いてくれる。
一方で、ほぼ毎回来てくれても、
一時間ぐらいで帰ってしまう人もいる。
人にはその人の都合があるから、そのことについてあれこれいわないが、
それでも、きちんとした音が鳴ってくる前に帰ってしまう人、
最後にかける曲を聴かずに帰ってしまう人、
つまり共通体験がそこには存在しない人とは、
音楽のこと、オーディオのこと、音のことについて話せるとは、思えない。