富士山は見飽きないのか(その2)
夏がようやく終って、富士山が見える日が増えてきた。
今日は神奈川県の寒川町のあたりに夕方いた。
クルマの中から見えた富士山が、
いままでに見たことのない富士山だった。
夕方は曇り空だった。
富士山の中腹ほどには雲も多かった。
風の強い晴天の日に見ることの出来る富士山とは、
正反対の趣の富士山であった。
おそらく東京からでは見なかったであろう。
なんといったらいいのだろうか、
藍色を主とした水墨画のようでもあったし、
使う色を極力抑えた日本画のようでもあった。
高解像度の写真のようにディテールがはっきりしているわけではない。
むしろぼやけている。
それは写真のようではなく、絵画的だった。
こういう富士山の表情があったのか、と思った。
初めて見た(感じた)富士山の美しさがあった。
今日の富士山はもう二度と見れないかもしれない。
それにしても、富士山は見飽きないのか。