Date: 9月 21st, 2019
Cate: オーディオ評論
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オーディオ雑誌考(その4)

No.1のオーディオ雑誌とは、影響力の大きさで決るのか。
この影響力はわかりやすいようでいて、そうでない面もある。

それに影響力といっても、
それは読者に対しての影響力なのか、
クライアント(広告主)に対しての影響力なのか、ということもある。

もちろん読者に対しての影響力があれば、
それだけクライアントに対しての影響力も大きいはず、ではある。

けれど、それぞれのオーディオ雑誌の読者層は同じなわけではない。

以前、別項「598というスピーカーの存在(長岡鉄男氏とpost-truth・その3)」で、
1980年代のオーディオ評論家の、国産メーカーによるランク付け的なことを書いている。

熊本市内のオーディオ店の店主が言っていたことなのだが、
オーディオ評論家でSクラスは長岡鉄男氏ひとり、
Aクラスが菅野沖彦氏と瀬川冬樹氏のふたり、
他の人たちはBクラス、Cクラスにランクされている、ということだった。

このランクづけを行っているのは、そのオーディオ店店主ではなく、
オーディオ業界、もっといえば国内メーカーということだった。
さらにいえば、おそらく営業関係者によるランクづけであろう。

つまり、この時代、国産のオーディオメーカー、
それも598のスピーカーシステムを売っているメーカーにとって、
長岡鉄男氏の存在は大きかったし、
長岡鉄男氏の影響力、
つまり598のスピーカーシステムを買う層に対しての影響力は、
他のオーディオ評論家よりもそうとうに大きかったわけである。

ならば、それだけ影響力のある長岡鉄男氏をメインの書き手として、
必ず毎号、長岡鉄男氏の記事が載っているオーディオ雑誌が、
影響力が大きいといえるかというと、そうとは言い切れない。

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