2019年ショウ雑感(その10)
OTOTENでもインターナショナルオーディオショウでも、
各ブースの入口の側にはテーブルがあり、
そこにはカタログ、ブースによってはアメが置いてある。
今年のOTOTENでのソニーのブースの、そのテーブルにあったのは、
ウォークマンだった。
初代(TPS-L2)と二代目(WM2)があった。
どちらも約四十年前の製品、
しかも持ち運ぶ製品にも関らず、そうとうに程度のいいモノだった。
ソニーで保管していたものなのだろうか。
そんな感じのする二台のウォークマンだった。
20代くらいの来場者が、ちょっとばかり興奮気味に、ソニーのスタッフに、
写真、撮っていいですか、ときいていた。
彼の年代にとって、実機を見るのも触るのも初めてなのかもしれない。
しかも新品同様といえるウォークマンである。
興奮気味なのも無理ない。
WM2の方にはテープも入っていて、再生状態だった。
おそらくソニーの関係者と思われる女性(30前後か)が、
スタッフの男性に、聴いていい? と訊ねていた。
ヘッドフォンで聴きながら、「80年代の音ですね」と感想を述べていた。
そうか、80年代の音なのか、と私は、そのフレーズをくり返していた。
TPS-L2は1979年、WM2は1981年発売だから、
WM2の音を聴いて「80年代の音ですね」は間違ってはいない。
それでも、30前後に見える女性が、
何をもってして「80年代の音ですね」といった、その理由は知りたいところ。