Date: 7月 1st, 2019
Cate: アナログディスク再生
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アナログプレーヤーの設置・調整(OTOTEN 2019にて)

アナログプレーヤーを輸入している出展社のブースで、
スタッフ(40歳くらいだろうか)の方が、
アナログディスク再生の大事な五つのポイントを話された。

輸入しているアナログプレーヤーの開発者から直接レクチャーを受けたもの、とのこと。
その五つのことは、確かに大事なことである。

トーンアームの調整にあたって、この五つのポイントはその通りである。
けれど、私くらいの世代、上の世代にとっては、
その五つのポイントのなかに、新しいことはひとつもなかった。

それはそれでかまわない。
話を聞いていて思っていたのは、
スタッフの人にとっては、そこでのレクチャーはとても新鮮で、
大事なことだと感じたからこそ、OTOTENで来場者に伝えたかったのだろう。

でも、その五つのポイントは、
1970年代のアナログディスクの再生について書かれたものにはすべて載っていた。

けれど、スタッフの人の世代にとっては、
その手の書籍も入手できなかった(読めなかった)のかもしれない。

見た目は40歳くらいに見えたけれど、実際のところはいくつなのかは知らない。
40歳前後だとして、私とひとまわりくらい違う。

その十年ちょっとのあいだに、アナログディスク再生に関する断絶は、
私の想像以上に大きいのかもしれない。

まずこのことを思っていた。
もうひとつ思っていたのは、
五つのポイントは大事なことであるけれど、
知っていたけど忘れてしまった人もいるだろうし、
知っているよ、という人であっても、どこまできちんと調整できるのかといえば、
甚だあやしいのが、現実である。

しかも、この現実は、ここ最近のことではない。
CD登場前から続いていることであり、
日本だけのことではなくアメリカにおいてもそうであることは、
以前マッキントッシュのゴードン・ガウが語っている。
ヨーロッパにおいてもそうなのかもしれない。

大事なことはしつこいくらいにくり返しくり返し語っていかなければならない。
それでも、きちんと理解して実行できる人は、どのくらいいるのか。

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