好きという感情の表現(その4)
なんでもスイングジャーナルに掲載された内容に満足していないから、らしかった。
スイングジャーナルの記事は、その女性のオーディオマニアの書き原稿ではなく、
彼女が話したことを編集部がまとめてのものだった。
そのまとめが気にくわなかったか、
ステレオサウンドに対しても、そんなことにならないように事前にチェックしたい、と。
私のまとめに満足していただけたようで、問題ない、との返事だった。
スイングジャーナルの記事よりも、だから私にとって、
この女性のオーディオマニアの第一印象は、このことが大きく関係している。
彼女はその後、読者代表ということで、
井上先生の使いこなしの記事にも登場している。
この記事の担当も私である。
その数ヵ月後に、井上先生の記事に一緒に登場した、もう一人の読者代表の人と二人で、
彼女のリスニングルームに行き、音も聴いている。
何度か、それからも会っている。
このブログで、何度も、人それぞれだ、と書いてきている。
ほんとうに、人それぞれだと思っている。
オーディオマニアに限っても、人それぞれであり、
同世代、世代が近くても、人それぞれだなぁ、と深い溜息をつきたくなることもある。
いい意味でも悪い意味でも、人それぞれであることを、
歳を重ねされば重ねるほど実感してきているわけだから、
彼女一人を例に挙げて、女性のオーディオマニアは……、ということはいえないのは承知している。
それでも、この女性のオーディオマニアの「好き」という感情を、
どこかで疑ってしまいたくなる。
ほんとうに彼女はオーディオが好きなのか。
この「好き」に関しても人それぞれなのはわかっていても、そう感じてしまう。