会って話すと云うこと(その22)
(その20)で、ヘッドフォン祭が開催される中野は、
その後が楽しいところである、と書いた。
今回も、いつもの三人で中野をぶらついていた。
食事を終えて、もう一軒、ということになった。
ヘッドフォン祭の前に少し中野をぶらついていた。
その時、ある店が、というより、JBLのバイラジアルホーンが目に入ってきた。
店の入口に、大きなホーンが一本だけ飾ってある。
これで、普通の、なんてことない店なわけがない。
それで、そこに行くことになった。
ミュージックイン(Music-IInn)という店である。
入る前から気になっていたのは、
どんなスピーカーを鳴らしているか、である。
バイラジアルホーンを飾っているくらいだから、JBLのホーン型のはずだ、と期待しつつも、
まったく違うスピーカーの場合だって考えられる。
入れば、すぐにスピーカーがある。
JBLの4430だった。
表のホーンは、4430と確かにつながっている。
どちらもバイラジアルホーンである。
ここで紹介しているからといって、
ものすごい音を期待されていくと、がっかりされるかもしれない。
アンプはアキュフェーズだ、そうだ。
これみよがしの音ではないし、
際立った特徴のある音でもない。
けれど、私たち三人は、流れてくる音楽を聴きながら、まったりしていた。
店内には、店主の好きなモノが、あちこちに飾られている。
トイレもそうである。
洗練されたおしゃれな店ではない。
昭和生れの三人は、この空間でまったりしていた。
他に客はいなかったおかげもある。
かかっている音楽も、店主の好きな音楽なんだろう、と感じる。
どこも無理していない、そんな雰囲気だからまったりできたのかもしれない。
こんな店があるから、確かに中野はいいなぁ、とまた思っていた。