さくら餅(その2)
このブログを書き始めたのは、2008年9月。
書き始めたときから2月になるのを楽しみにしていた。
三はし堂のさくら餅について書きたかったからだ。
2009年2月に、だから「さくら餅」というタイトルで書いている。
三はし堂は一度閉店し、復活した。
けれど、いまはもうない。
今回は復活の期待もできそうにない。
毎年2月になると、ここのさくら餅を買いに行くのをほんとうに楽しみにしていた。
一つ200円ちょっとのさくら餅である。
高価な和菓子ではない。
けれど、三はし堂のさくら餅より高価な桜餅よりも、
上品で、ほんとうに美味しいと思える味だった。
三はし堂のさくら餅を食べるまでは、桜餅は好きではなかった。
それに香りもよかった。
買ってきて、箱を開けると、さくら餅の上品な香りがする。
もうこれだけで食べた気になれるほど、私にとって春の風物詩にもなっていた。
ここ数年、2月になるたびに、もう三はし堂はないのか……、と必ず思い出す。
ひっそりと営業していた店が、ひっそりと消えてしまった。
さがせば、三はし堂のさくら餅に近い味わいの桜餅がどこかにあるのかもしれない。
でも、もういいか、とおもっている。
すべてがそうである、
いつまでもあるわけではない(生きているわけではない)。