LOUIS VUITTONの広告とオーディオの家具化(その5)
Bさんが購入しようとしているオーディオは、けっこうな価格である。
ヤマハのセパレートアンプは、コントロールアンプもパワーアンプも90万円(税抜き)する。
スピーカーもB&Wならば、どのモデルになるのかは知らないが、
同程度の価格のモノになるはずだ。
それにアナログプレーヤー、CDプレーヤー、チューナーと一式揃えるわけだから、
数百万円ほどになる。
そこにラックには、どの程度の予算を割くのだろうか。
ここがとても気になる。
オーディオマニアならば、高価なラックも当り前のように購入することになるだろう。
けれどBさんもBさんの奥さんもオーディオマニアではないのだ。
そういう人からみて、いまのオーディオ用ラックの値段はどうなのか。
高いと感じてしまうように思う。
ラックによって音が大きく変るんです──、
そんなふうにオーディオ店の店員は、Bさん夫妻に説明することだろう。
その説明を、どう受け止めるのか。
音は変ることは理解したとしても、
家具としてラックをみた場合に、どう判断するのだろうか。
ヤマハには、GTR1000というラックがある。
1980年代からあるGTR1の後継である。
ブラウンバーチとブラック、二つの仕上げがある。
武骨なラックではある。
けれどいまとなっては、とても良心的な価格のラックである。
Bさん夫妻は、GTR1000を選ぶのかもしれない。
そんな気もしている。