ボンジョルノのこと、ジャーマン・フィジックスのこと(続×六・余談)
意外なほどThe Goldは安定していた。
保護回路を搭載していないのもうなずけるぼとに安定している。
ただ正月に帰省したあと一週間ぶり電源をいれるときは、わすかなポッという音がしたけれど、
これすら2日目からは出なくなっていく。
電源を切るときにも、何のノイズも出ない。
あまりオーディオ雑誌には書かれないようだが、
海外製のパワーアンプの中には、電源を切るときにウーファー大きく前後に揺れるものや、
いやな感じのノイズを出すものがあったりする。
The Goldは毎日使っていると、きわめて安定していた。
それでも、電源をいれるときには、いつも心の中で
「今日も頼むぞ」とつぶやていた。
ある日、ついうっかり、このつぶやきをわすれて電源を入れた瞬間、
出力段の平滑コンデンサーがひとつダメになってしまった。
部品の劣化による故障。
ウーファーのコーン紙が前に飛び出してボイスコイルボビンが磁気回路から外れてしまった。
このときは手放すことを、ちょっと考えた。
でも修理から戻ってきたThe Goldはそれまでと同じように安定して、それからは故障知らずだった。
私は、ボンジョルノのアンプが不安定だとは、まったく思っていない。