Date: 2月 23rd, 2011
Cate: KEF, LS5/1A
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妄想組合せの楽しみ(自作スピーカー篇・その6)

ウーファーの開口部を横幅の狭い四角にすることで、
トゥイーターとのクロスオーバー周波数附近の指向特性を改善する手法を見つけ出したハーウッドが、
1976年に設立したハーベスのスピーカーシステムには採用していない。

ハーベスの最初スピーカーシステム、Monitor HLはクロスオーバー周波数は2kHzだが、
ウーファーの口径は20cm。たいてい、この口径の有効直径は18cmを切る。
つまり開口部を四角にすることで、指向特性を改善する必要性がほとんどない、からだ。

ウーファーをフロンドバッフルの裏側から取りつけることに、
ウーファーの前にいかなるものであろうと置けば、音が悪くなる、という理由をつける人がある。

裏側から取りつけて、しかも開口部がウーファーの振動板より狭く、形も四角ということになると、
よけいに音が悪くなりそうだという人がふしぎではない。

でも必ずしもデメリットばかりではなく、
指向特性の改善のほかにも、ウーファーのフレームからの輻射音を大幅に低減できる。
またLS5/1ではエッジ部分もほとんど隠れているため、この部分からの輻射も減らせる。

ウーファーのフレームからの輻射音が、振動板が動くことによって音が鳴りはじめる前に放射されていることは、
1980年代にダイヤトーンが解析をして発表していることからも明らかである。

ウーファーをバッフルのどちら側からとりつけるかは、実際に耳で判断すればいいこと。
どんな方法にも、メリットとデメリットがあるわけだから、何を望むのかを明確にすることのほうが大切である。

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