雑誌の楽しみ方(書店の楽しみ・その2)
2月に、渋谷の山下書店にのことを書いた。
田舎で馴れ親しんだ書店らしい書店だと感じていた。
ステレオサウンドは、私がいたころは六本木にあった。
青山ブックセンターも六本木にあった。
ステレオサウンドで働くことで、青山ブックセンターを知った、といってもいい。
これが東京の書店なのか、と、
三省堂や紀伊國屋書店に初めて入ったときとは、また違う感想をもったものだった。
山下書店と青山ブックセンターは、ずいぶん違う。
あのころ青山ブックセンターは深夜まで営業していた。
山下書店の渋谷店も、一時期まで24時間営業だった。
あるときから青山ブックセンターのコピーのような書店が、東京に増えてきた。
そのすべてとはいわないが、スカした書店が増えてきた。
スカした書店は、スカした品揃えで、スカした客が集まる。
優れた本でも、スカした書店で、スカした品揃えのように並べられると、
スカした客の手に渡る。
こうしたスカした書店は、エロ本は当然のことながら、置いてない。
エロ本がないからスカした書店なわけではない(念のため)。
スカした客が集まる書店では、
いったい誰が買うんだろう……、という本もある。
私が何度か目にした範囲では、スカした客が手にしていた。
話は飛躍するが、こうしたスカした人たちが、
デザインのパクリを平然とやっているように見えるのだ。
渋谷の山下書店は、4月26日で閉店する。
このあたりは渋谷の再開発に含まれるのだろうか。
渋谷から山下書店がなくなる。
こういう書店は減っていくだけなのか。