素朴な音、素朴な組合せ(その2)
素朴な音、素朴な組合せは、プリミティブな音、プリミティブなオーディオ機器の組合せではない。
オーディオにおける「素朴」を考えることは、
オーディオにおけるシンプル(単純)、潔さについて考えることにつながろう。
わずかでも音がよくなるなら、どんな煩雑なことでも積極的にこなす──、
PCオーディオに取り組まれている、ある一部分の人たちの取り組み方を見ていると、
そんな印象を受けてしまう。
別に批判しているわけではない。ただそれだけでいいのだろうか、と思うのだ。
対極にあるものを意識した取り組み方を、つねに忘れてはならないと思う。
素朴、単純、潔さ……と思い浮かべていると、簡素、簡潔といった言葉も出てくる。
「簡」から始まる言葉には、他に、簡雅、簡勁、簡厳、簡朴、簡明などがある。
デジタル技術の進歩により、いままで無理だったことが可能になっているからこそ、
素朴(ネイティヴ)について、いまの感覚で捉えなおすことも大事だと思う。