オーディオマニアの覚悟(その6)
なにかのきっかけがあってなのか、ふと以前観た映画のシーンを部分的に思い出すことがある。
つい数日前も、そうだった。
思い出したのは(というよりも突然頭に浮んできたのは)、
「カールじいさんの空飛ぶ家」(原題:Up)である。
2009年の映画だ。
邦題は、アニメーション映画ということもあってのものか。
映画を観終れば、原題がUpであることが理解できる。
亡き妻との思い出がつまった家を風船で浮上させて旅に出る。
荒唐無稽な話と思われるだろうが、家ごとだから主人公のカールじいさんは旅に出る。
まだ観ていない人もいるだろうから、ストーリーについては触れないが、
クライマックス、ふたたび家ごと浮上するシーンがある。
グッと胸に来るものがある。
まさしく「Up」である。そこには別れもある。
数週間前からぼんやり考えているのは、
オーディオマニアの私にとっての「武器」はなんだろうか。
古い武器、新しい武器……。
新しい武器を手にするには、古い武器を捨て去ることが必要となるのなら、
その見極めが……。
そんなことを考えながら、映画「Up」がリンクしていくのでは、と感じている。