「鳥の歌」を聴いて
10月3日に「鳥の歌」を書いた。
翌日はaudio wednesdayだった。
Aさんが、「ホワイトハウス・コンサート/カザルス」のCDを持ってこられた。
私がずっと以前に聴いたときはLPだった。
CDで聴くのは初めてだったし、
前回聴いたのはいつだったのか、もう憶い出せないほどに年月が経っている。
こんなにも感じ方が変ってきたのか、と思うほどに、
記憶にある聴こえ方とは大きく違って聴こえた。
黒田先生が「音楽への礼状」で書かれていることを、心の中でくり返す。
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大切なことを大切だといいきり、しかも、その大切なことをいつまでも大切にしつづける、という、ごくあたりまえの、しかし、現実には実行が容易でないことを、身をもっておこないつづけて一生を終えられたあなたのきかせて下さる音楽に、ぼくは、とてもたくさんのことを学んでまいりました。
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大切なことを大切だといいきる、こと。
どれだけの人が実行しているのだろうか。
大切なことに新しいも古いもない。
そんなことさえ、いまでは忘れられているような気さえする。
大切なことをいつまでも大切にしつづける、
ということはそれだけの時間が経っている。
大切なことが新しいわけがない。