KEFがやって来た(Mark Levinson ML10)
こうやってKEFのModel 107、それから105のことを書いていると、
頭の片隅から徐々に浮んでくるのが、マークレビンソンのML10のことだ。
ML10といっても実際に発売されたコントロールアンプのことではなく、
試作品として発表されたスピーカーシステムのことである。
ステレオサウンド 50号に、それは載っている。
アンプと違い、ゼロからの開発ではなく、市販品をベースにしたもの。
ベースとなっているのが、KEFのModel 105である。
記事を読んでも、このML10というスピーカーシステムのことは、ほとんどわからない。
ネットワーク、内部配線を中心にモディファイされている、ということだけである。
ユニットはそのまま同じモノが使われている。
この時にML6とML3も発表されている。
ということはML10の内部配線は銀線の可能性が非常に高い。
同時にML4という、
電源内蔵のローコスト(あくまでもマークレビンソンとしては)のコントロールアンプも、
試作品として発表されている。
ML4もML10も製品化されることはなく終ってしまった。
おそらくだが、ML4とペアとなるパワーアンプも計画されていたはずだ。
マークレビンソンは、すでにHQDシステムを完成させていた。
3ウェイのマルチアンプシステムで、アンプを含めたトータルは二千万円ほどだったはずだ。
ML4と、ローコストのパワーアンプ、それにML10というシステムが、
HQDシステムは無理でも、
マークレビンソンのトータルシステムを求めたい人に向けての構成だったのだろう。
どんな音がしていたのか、も、そうだが、
なぜ製品化されなかったのか、その理由を含めてあれこれ勝手に想像しているところ。