ステレオサウンドの表紙に感じること(その2)
管球王国という季刊誌も、株式会社ステレオサウンドから出ている。
ステレオサウンドの表紙にも、その傾向はすでに感じられるのだが、
管球王国のほうがより顕著といえる。
表紙には雑誌名が大きく、Stereo Sound、管球王国といちばん上にある。
その下に、特集記事のタイトルや何号なのかについての文字が並んでいる。
たとえばここ十年間の管球王国(40冊)を、
特集内容、何号かの文字を隠して、ランダムな状態にしておく。
その40冊を発行順通りに並べていくことができるか。
表紙の写真だけを見て、特集記事の内容、何号なのか、
その他の記事はどういったものが載っていたのか、
そういったことを思い出せるだろうか。
やったことはないが、私には無理である。
それほど熱心に管球王国を読んでいないことだけが理由ではない。
特集記事の内容と表紙とが結びついていないから、
一冊一冊の印象が、どうしても希薄になってしまう。
ステレオサウンドにも、上にも書いているように、その傾向を感じている。
実際にやってみれば、表紙になっている製品の発売時期を記憶している人ならば、
そこに頼って並べることはできるだろう。
でも私がいいたいのはそこではなく、表紙と内容の結びつきの希薄化である。