世代とオーディオ(昭和は遠くになりにけり……か・その4)
40を超えたころに、ある人からいわれた。
「オーディオ界をよくしてくれ」と。
そのときにいくつかいわれたことがある。
そのひとつだけを書いておく、
「若い人のところに降りていくな」だった。
誰なのかはあえて書かない。
「若い人のところに降りていくな」の前後を詳細に書いたところで、
その人の名前を出しただけで否定的にとらえてしまう人がいるのを知っているし、
「若い人のところに降りていくな」だけが一人歩きしてしまうこともある。
話してくださった方に迷惑をかけたくないので、誰なのかは書かないが、
「若い人のところに降りていくな」をきいて、
やはりそうなんだ、間違ってなかった、と思った。
いっておくが、若い人を蹴落とせ、とか、頭を押さえつけろ、とか、そういったことではない。
ただただ「「若い人のところに降りていくな」である。
「絶対に降りていってはいかん」とつけ加えられた。
物分りのいい人ぶっている知人は、真逆のことをいう。
もう人は人である。それぞれであるから、知人は知人でやっていけばいいだけのことで、
私は私で、「若い人のところに降りていくな」をきいてから十年、
これから先も、降りていくことは決してない、と断言できる。