丁寧な使いこなし(その2)
丁寧であるということが、
なにか間違っている方向に行きつつあるように感じることが増えている、
そんな気がしているから、(その1)でJR東日本のことを書いた。
同じように、オーディオにおいても、丁寧であることが、
どこか間違っている方向に行きつつあるのではないか、と思うことがある。
だから「丁寧な使いこなし」というタイトルにした。
「丁寧な」とつけられることは、使いこなしの他にもある。
それでもここでは使いこなしに絞って考えていきたい。
五年前に「使いこなしのこと(なぜ迷うのか)」を書いている。
オーディオには、あれこれ迷うことがある──、というより多い。
迷うことばかりといってもいいかもしれない。
どのオーディオ機器を購入するかでも迷う。
システムのグレードアップをはかるときにも、
まずどこをグレードアップすべきか、と迷う。
試聴しても迷う。
迷った末に手に入れたオーディオを、いざ自分の部屋で鳴らしてからも、
迷うことから解放されるわけではなく、違う「迷う」が生じてくる。
オーディオには迷うことが求められているようにも感じる。
だからこそ、丁寧であることが使いこなしにおいても必要となるし、
丁寧な使いこなしとは、冷静に迷うことから始まる、とおもう。