続・再生音とは……(波形再現・その1)
ステレオサウンド 48号で、
アナログプレーヤーのブラインドフォールドテストが行われている。
測定も五項目、行われている。
そのひとつにレコードの音楽波形レベル記録というのがある。
実際にレコードを再生して、その波形を記録したもの。
使用されたレコードは、アシュケナージによるベートーヴェンのピアノソナタ第23番、
カートリッジはオルトフォンのSPU-G/E、コントロールアンプはヤマハのC2、
サブソニックフィルターはオンにしての測定結果である。
誌面に掲載されているレベル記録のグラフは横幅10cmくらいで、
そこにアシュケナージの「熱情」の冒頭五分間のレベルが描かれているため、
各プレーヤーによる違いを細部まで比較するには、小さすぎる。
しかもすべての機種の測定結果が同じページに掲載してあれば比較もしやすいが、
それぞれのプレーヤーごとにわかれているため、よけいに比較しにい。
それでもいくつかピックアップして丹念にみていけば、
一見同じようにみえる波形であっても、違いがある。
48号の146ページには、囲みで、拡大したグラフの比較が行われている。
EMTの930stによる波形と、1973年ごろのローコストのダイレクトドライヴ型の波形である。
こちらは拡大してあるのと上下に並べてあるだけに、比較がしやすい。
どちらの波形がより正確かはこれだけではいえない面もあるが、
とにかくふたつの波形が違うことは、想像以上にある、と感じた。