avant-garde(その3)
別項 「40年目の4343(その4)」でも、
五味先生がハンマーでコンクリートホーンを敲き毀されたくだりを引用している。
10年ほど前のステレオサウンドの記事「名作4343を現代に甦らせる」。
この記事のひどさは、ステレオサウンドの50年の中でも、ダントツといっていい。
この記事のほんとうのひどさは、連載最後の、とあるオーディオ評論家の試聴にある。
そのことは(その3)で触れた。
ここにオーディオ少年から商売屋になってしまった人が、はっきりといる。
あえて誰なのかは書かない。
このオーディオ評論家(商売屋)には、怒りはなかったのだろう。
怒りがないのか、それとも怒りを、もう持てなくなってしまったのか。
このオーディオ評論家(商売屋)は、
ハンマーで、無惨にも変り果てた4343もどきを敲き壊すことはしなかった。
おそらく、そんなこと考えもしなかったはずだ。
このオーディオ評論家(商売屋)が、オーディオへの愛を書いていたとしたら、
それは上っ面だけの真っ赤な嘘だと思っていい。
私はそう思って読んでいる。
怒りもなければ、愛もない。