Date: 2月 21st, 2015
Cate: 4343, JBL
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40年目の4343(その3)

「名作4343を現代に甦らせる」の連載が始まった時、
すこしは期待していた。同時にどうなるのか心配な面も感じていた。
回が進むごとに、ほんとうにこの連載をこのまま続けていくのか、と思うようになっていた。

「名作4343を現代に甦らせる」について、ここで詳細に語りたいわけではない。
「名作4343を現代に甦らせる」が掲載された号をひっぱり出してくれば、
書こうと思えば、どれだけでも書いていける。
そのくらい、「名作4343を現代に甦らせる」にはあれこれいいたいことがある。

だが書くのはひとつだけにしておく。
この記事を読んで感じたのは、
「名作4343を現代に甦らせる」の筆者の佐伯多門氏は、
JBLの4343というスピーカーシステムを理解していなかった人だということ。
理解していなくとも、「名作4343を現代に甦らせる」の連載を続けるのであれば、理解しようとするべきである。
だが理解しようとされなかった。

少なくとも記事を読んで、そう感じられた。
だが佐伯多門氏だけではない。
ステレオサウンドの編集者も4343というスピーカーシステムを誰ひとりとして理解していなかった、といえる。
4343に憧れていた人は、もう編集部にはいなかったのかもしれない。
そうであっても、理解しようとするべきであった。
それがまったくといっていいほど感じられなかった。

新製品の紹介記事や徹底解剖とうたった記事をつくる以上に、
この手の記事では、対象となるオーディオ機器への理解がより深く求められる。
にも関わらず……、である。
そのことにがっかりした。

そして連載の最後、無惨に変り果てた、もう4343とは呼べなくなってしまったスピーカーを試聴した人、
この人こそ、オーディオ評論家を名乗っているのだから、
もっともオーディオへの理解が深い人であるべきだし、
読者、さらには編集者にとっても、理解することにおいて手本となるべき人なのに、
まったくそうではなかったことに腹が立った。

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