ワイドレンジ考(その2)
音をよくするため、CDプレーヤーを、CDトランスポート部とD/Aコンバーターに分け、
場合によっては、あいだにアップサンプリングの機械をいれたりする。
アンプに関しても、同じくセパレート化。
さらにマルチアンプとなるとチャンネルデバイダーが挿入され、
グラフィックイコライザーやパラメトリックイコライザーを使うとなると、
システム全体の規模はかなり大きくなると、アンプ一台では生じなかった問題がある。
AC電源のオーディオ機器を2台以上つなぐと、電源を通じてアースにループができる。
上記のような構成になると、複雑な多重ループが生れる。
しかもこのループの問題は、ストレーキャパシティがからんでいるため、
高域再生の上限周波数が高くなるほど問題は大きくなってくる。
信号がシャーシやACラインに流れてしまうのをすこしでも防ぐためには、
あえてナロウレンジにするという手がある。
ただし現在のワイドレンジのオーディオ機器の入力にハイカットフィルターを挿入して
ナロウレンジにしたところで、音が良くなるどころ、むしろ劣化することが多い。