表紙というデザイン(その2)
1977年夏に、ステレオサウンドの姉妹誌テープサウンドからRecord’s Bibleが出た。
この別冊の表紙も、
「コンポーネントステレオのすすめ」「コンポーネントステレオの世界 ’78」と似ている。
いくつものオーディオ機器(ここではアクセサリー)をレイアウトしての表紙である。
ただ「コンポーネントステレオのすすめ」と違うのは、一発撮りであるという点。
「コンポーネントステレオのすすめ」ではスピーカー、アンプ、アナログプレーヤーなどを、
正面からの撮影を個別に行った上で、写真を切り抜いてのレイアウトである。
同じようであっても、「コンポーネントステレオのすすめ」とRecord’s Bibleは違う。
Record’s Bibleは表紙デザイン=田中一光、表紙撮影=安齊吉三郎となっている。
Record’s Bibleの表紙がユニークなのは、表4(裏表紙)も、
表紙と続いている、というか、同じ意図でのデザインである。
といっても表4は多くのムック、オーディオ雑誌がそうであるように広告である。
Record’s Bibleの表4も広告。ビクターの広告になっている。
しかも表1(表表紙)と表4にはカバーのようにそれぞれ折り返しがあって、
その10cmくらいのところも広告になっている。
表紙の延長となっているところにはパイオニアの広告、
裏表紙の延長は、そのままビクターの広告である。
もちろんこの部分も表紙と同じ意図のデザインであり、
おそらく表1、表4、それと折り返しのところも含めての一発撮りのはずだ。